イスズミ
場所によってこれほど呼び名の多い魚も珍しい
イズスミ・ササヨ・
キツオ・ギツチョ・キツトウ・ゴクラク・ゴクラクメジナ…
と挙げるとキリが無い、しまいにゃ「ババ(うんこ)タレ」とまで呼ばれてる
磯上物釣りの最強の外道だが、専門に狙ってる方も少なくない。

あくまで噂ではあるが冬の一時期、紀州の方では結構な高値で
取引されている魚種のひとつらしく、何キロ以上でノリで食わせた
魚に良い値段が付くと言う話を釣り人の間で聞いた事がある。

もっぱらメジナを狙ってる私達にとってはこれ程、迷惑な餌取りはいない位
ガックリします。 まず掛けてすぐ本命じゃないと判る上に一丁前な
歯を持ちハリスはザラザラ…挙句にゃ釣り上げた瞬間、我々に向かって
ウンコをたれる最悪なイメ〜ジが強い魚です

しかし

私達が度々 訪れる八丈島ではとてもこの魚のファンが多く
皆さん、捨てるなら持って帰って来てくれと必ず言われます。
過去に一度、この魚の腹を捌いた時に凄い匂いにやられ、とても食すなんて
思ってもみなかったのですが…あまりに美味しいと島の方々に言われるので

となった訳でして…参考までに食したイスズミのサイズを記載しておきます

12/17、八丈島・神湊港内にて「オキアミ」で釣った50cm・2.5kgの
一般的なイスズミでテンジクイサキでもミナミイスズミでもありません

釣った直後に神経〆をし血抜き、海水氷に浸けました。
宿に戻り翌日、腹を割き内蔵を出すと案の定、強烈なかほり…

脂は程よくのっていますが匂いがどうにも…
そこで味噌漬けにして焼いてみようとなりました

ところがいざ東京に戻り味噌漬け用に切り身にしていると何故か独特な
匂いが消えています、「!?」と思い勇気を出して刺身に挑戦する事に…
まずは背身の刺身です
「お? 全然臭くないどころか逆になんだか上品な白身を食ってる様だぞ???」
当然、周りは誰も信用してくれません
次に腹身の部分ですが透き通った白身と真っ白な脂がビッシリ筋状に入っており
さしずめ超高級魚の腹身の様な雰囲気です。これぞ正に霜降り系(?)

「おおおおおおおおおおおおお…ま、ま、ま…まいう〜!♪」
かなり驚きを隠せず、ちょっとビックリしてしまいました。
こうなりゃ全員に食わせなければと思い、各々の口に運んであげると
皆さん、想像通りの反応でして驚いておりました

恐らく、魚のサイズにもよるところが多いとも思われますが
納得させられてしまった感じがしましたね
1尾しか試してないので他のイスズミが全部、匂わないとも限りませんし
中には脂を全然まとってない魚もいるでしょうし不味いと思う魚もいるでしょう
ましてや時期は大きく関係してるとも思いますしね。

ですが今回、実験的に食してみたイスズミはとても美味しかった事は事実
次回は同サイズで脂ののってそうなイスズミが釣れたらもう一度
持って来るつもりです、これを何度か繰り返してみれば、どれ位の確率で
美味いイスズミに出会えるのか興味津々です(笑